種々のタイプの先進的着圧ソックスにおける着圧値比較試験と伸展/快適度試験

UNIVERSITÀ DI BRESCIA
UNIVERSITÀ DI BRESCIA – FACOLTÀ DI INGEGNERIA
DIPARTIMENTO DI INGEGNERIA DELL’INFORMAZIONE



レポート: 種々のタイプの先進的着圧ソックスにおける着圧値比較試験と伸展/快適度試験

Extensor: Prof. Ing. Franco Docchio
Laboratory of Optoelectronics – Optolab-BS
University of Brescia
Via Branze 38 25123
Brescia, Italy

 

Franco Docchio



 

INTRODUCTION

足首から腿まで着圧力が減少する様々なソックスが市販されていて入手することができ、下肢の異常な静脈のうっ血を防ぐかまたは減少させたり、体の深部と体表近くの血管との間での血液の流れを正常に保つ効果が期待される。 うっ血した血液の大部分を深部静脈システムに伝える能力により、これらのソックスは深部静脈血栓(DVT)に対する対策になる。 そのうえ、以下のような人々にとっては、うっ血を最適に分配することから、先進的な着圧ソックスが理想的であると考えられている。

・ 長時間の立ち仕事で足が浮腫み易い人
・ 浮腫、膨張などが容易に認められる糖尿病患者
・ 国際線の飛行機の乗客のような、減圧した大気中で長時間脚を動かせない人
・ マラソンや長距離を走る陸上競技選手

Arcos S.p.A.社は、自社製品を最適化するための取り組みとして、着圧ソックスの特性の包括的な研究を、自社製品と市販の他社製品とで行った。 目的は、自社製品の競合品に対する戦略的利点を定義し、また、コンスタントに品質を改良していくために理想的な圧縮ソックスの特性を定義することである。

Arcos S.p.A.社.は、以上の目的から、大規模な実験での測定と測定データ解釈を光電子工学研究所に協力を依頼した。

 

METHODS

ソックスの試験には、monolateral compression measurement load cellを備えた市販の機器 SATRA STM 579を用いた。 測定は足首から始めてソックスの4ヶ所で行った。 各測定点で、ソックスの直径を計算した。 着圧値(Compression Value)は、機器によって得られる負荷値から、マニュアルによって定められた修正率を適用することによって求められた。
測定には新品のソックスを使用し、各測定点では5回の測定を行い、平均値を求めた。

 

EXPERIMENTAL RESULTS: 着圧値の比較

テストした商品は以下の通りである:JOBST 8-15 Women's Casual, TED Antiembolism, Futuro Medium 21 mm Hg, TED Antiembolism 2, Solidea Relax 140, BTG Flight Socks, Futuro Medium 21 mm Hg, Gloria 18, Mod. 01, Mod. 02, Mod. 03, Mod. 04, Mod. 05, Mod. 06, Mod. 07, Mod. 08, Mod. 09, Mod. 10, Mod. 11, Mod. 12, Mod. 13, Mod. 14, Mod. 15, Mod. 16, Mod. 17, Mod. 18, Mod. 19, Mod. 20, Arcos Mod. A, Arcos Mod. B, Arcos Mod. C.

図1は、全ての商品についてソックス上の異なる4ヶ所(1=足首、4=腿)で測定した着圧値の結果である。 全ての着圧値の単位はmmhgである。 図からは、多くの競合品がポイント1からポイント2にかけて、着圧値が増加していることが明白である。 深部静脈システムにおける血液循環に適切な効果をもたらすためには、ソックスの上部に行くに従って着圧値が徐々に減少する必要があるので、この現象はこれらの競合品が不適合な商品であることを示している。 ポイント1からポイント2にかけて着圧値が増加する商品では、足首の上部で血液が停留するかもしれない。

 

 

図2は、図1と同じグラフであるが、上記のようなパターンを示す商品を除いたものである。

 

 

次に、我々はポイント3からポイント4にかけて着圧値が増加している商品が多いことに注目した。 先述のように、深部静脈システムにおける血液循環に適切な効果をもたらすためには、ソックスの上部に行くに従って着圧値が徐々に減少する必要があるため、この現象はこれらの競合品もまた不適合な商品であることを示している。 ポイント3からポイント4にかけて着圧値が増加する商品では、腿のすぐ下で血液が停留するかもしれない。

図3は、上記のようなパターンを示す商品を除いたものである。

以下の商品が残った:

JOBST 8-15 Women's Casual, TED Antiembolism, Futuro Medium 21 mm Hg, Gloria 18, Mod. 02, Mod. 09, Mod. 10, Mod. 20, Arcos Mod. A, Arcos Mod. B, Arcos Mod. C.

 

 

伸展性

ソックスの快適性を示す主要なパラメータの1つは、ソックスの横方向への伸展度、すなわち、未着用の状態に比例したソックスの横方向への最大の伸び具合である。 この値が高いほど、ソックスはいろいろな形状の脚に適応することができる。 言うまでもなく、伸展度はソックスの長さ全体(足首から腿まで)にわたる全てのポイントで可能な限り等しくなるべきである。
前述の実験で良いパフォーマンスを示した7種のソックスが、伸展度の測定に用いられた:

JOBST 8-15 Women's Casual, TED Antiembolism, Futuro Medium 21 mm Hg, Mod. 10, Arcos Mod. A, Arcos Mod. B, Arcos Mod. C.

ソックスの横方向への伸展度は、図1~4で測定した4ヶ所のポイントで測定し、未着用の状態と、最大の張力で引っ張った状態の、2つの条件で測定した。 伸びた差を計算し、未着用の状態を100%として伸展度を求めた。

結果を図5に示す。 Arcos社の3商品とMod.10が、最も伸展度が高く、かつ4ヶ所の測定ポインでの値が最も均一であった。

 

 

 

快適/伸展係数

この7種のソックスで、快適/伸展係数を計算して求めた。 最初に、4ヶ所の測定ポイントでの着圧値を再測定した。 測定値を補正後、各ポイント間の値の差を求め、そのポイントでの最大伸展値で割った。

結果を図6に示す。

 

 

最後に、着圧の減少度が均等であるかどうかという観点から、さらなる選別を行った。 着圧の減少があまりにも均等でないソックスは、血管にかかる圧力が等しくない部分ができるため、血液循環に対して悪影響を与えると考えられる。 ゆえに、各ポイント間での着圧の減少度が等しいか、±20%以下のソックスを選択した。 この基準では以下の4種の商品が選ばれた。

結果を図4に示す。

 


Arcos社のソックスは3種とも、Mod.10 というソックスと一緒に、これまでの全ての試験に合格した。 ただし我々は、Mod.10ソックスは、Arcosソックスよりも足首の締めつけがかなり強いことを注記しておく。

 


あらゆる形状の脚に最大の快適さをもたらすためには、計算された係数は以下に述べるような性質を持っているべきである:

1. 係数はできるだけ低くなること。 各ポイントでの着圧は伸展値によってできるだけ影響を受けないこと。
2. 係数はソックスの長さ全体にわたってできるだけ均一であること。

上記の1.に関しては、Arcos Mod.C が最も性能がよく、2.に関しては Arcos Mod.B、次いで Arcos Mod. A が良い性能を示した。

 

 

FINAL REMARKS: 理想の着圧ソックスについて

レポートの最後に、理想の着圧ソックスが備える特徴について概説する。 この特徴は、臨床上の経験からソックスを評価する必要がある、医学と臨床医学の専門家に対して提案されるものである。

1. ソックスの着圧値(mm/Hg)は、足首から腿にかけて一定の割合でコンスタントに減少していくべきである。
2. いろいろな太さや形状の脚に適応するため、ソックスはできるだけ伸びるべきである。
3. ソックスの着圧値は伸びに影響を受けず、横方向での着圧の影響はソックスの長さに沿ってできるだけ均一になるべきである。

測定したArcos社の商品は全てこれらの特徴を満たし、競合品のほとんどよりも優れていた。 着圧/伸展テストの結果からは、Arcos C が最適であった。

 

Franco Docchio 教授のプロフィール

Franco DocchioFranco Docchio 教授は原子核工学の修士号を持っています。 以前はミラノのCNR研究者として、レーザー開発、工場と生物医学でのレーザーの応用、レーザーと組織の相互作用についての研究を行い、1987年にはイタリアのBrescia大学の電子自動制御科に移り、現在は電子測定法の教授になっています。

Docchio 教授は、250冊以上の国際的共著があり、国際的な団体や企業と協力して基礎研究や応用研究のプロジェクトを進めている、光電子工学研究所の創設メンバーです。 近年は、研究所での活動と共に、光電子工学・材料のレーザー加工・光学センサー・3-D映像・工学デザインなどの分野での多数のスピンオフ企業の設立と育成にも積極的です。
Docchio教授は器械工学と、電子光学的測定法での革新的な技術に関する5つの国際特許を持っています。

かつては、Docchio教授は工学部の副学部長と、大学の情報システム開発部副部門長でした。 今日では、教授はヨーロッパ光学学会のフェローであり、Brescia大学の科学振興機関のメンバーです。 教授はイタリアの学会誌”Tutto_Misure”の編集長でもあります。

 

Franco Docchio